前橋の老舗ジャズバー「ダウンビート」さんで、ジャムセッション・デビューしました!
ジャズが大好きです。
20代前半から30代前半を過ごした東京では、仕事の帰りにふらっとジャズバーへ寄って聞いて帰ったりしていました。一緒に行くひとがいないときは、一人でだって。そして「いいなぁ、東京って。行きたいなっていう時に、いつでもジャズを聞きに行ける」と、都会の素晴らしさを満喫していました。
が、家庭の事情により、幼かった子供達を連れて、まさかの地元群馬へのUターン。高校卒業と同時に群馬を出ていた私にとっては、大人になってからの群馬は未開の地。乳幼児を抱えてジャズを聴きに行くなんて到底できるわけがなく、また、そういう場所が群馬にあるかどうかも分からず、気付いたら、早10年。
でも、夢はジャズピアノでジャムセッションに参加すること。子供達がもう少し手を離れたらジャズピアノを習おう、と機会を伺ってきました。4歳から15歳までゆるくクラシックピアノを習っていて、その後も我流で細々と弾き続けてきたので、全く弾けないわけじゃないのですが、ジャズは全然別物。習わなきゃ、全く分からない。というわけで、この春、子供達が高校生と中学生になったのを機に、前から習うならここにしようと決めていたジャズスクールの門をたたいたのでした。
それが5月で、今は10月。習い始めてまだ5か月。ジャムセッションデビューなんて、まだまだ先と思っていましたが、意外に早くやってきてしまいました。まぁ、実際にはホントのデビューというよりは、今月末の発表会のリハーサルに参加できなかったので、先生のお計らいで、先生がホストを務めているセッションの回に、度胸づけのための参加なんですが。
だから持っているのは、発表会での曲「If I Were A Bell」一曲だけ!
それでも、デビューはデビューです(*´▽`*)
初めてでドキドキしながら行ったジャムセッション。まず、お店の場所のリサーチから(笑)
先生に場所を聞いた通りに、歩いて行きます。あった、あった、フォルクスワーゲンが窓に突っ込んじゃったデザインのお店。
その手前にあると聞いていたので、すぐに分かりましたよ。
入ったら、先生と、何人かのお客さんが楽しそうにお話していました。この時点では5人ほどでしたが、その後にどんどん、来る、来る!!
ビックリしました。
だって、金曜夜前橋の街角の、カウンターも合わせて20席くらいしかない小さなジャズバーに、夜8時過ぎに、わらわらとジャズ好きの方々が集まってくるんです。
手ぶらで、もしくは、ドラムのバチや、楽器を持って。
手ぶらのひとは、ボーカルか、ピアノですね。
お店に入ってノートに名前を書くと、ホストの方に、「じゃ、次は〇〇さんピアノ、フロントはボーカルで〇〇さん、リズム隊は、そのままで」と言われて前へ出て、何やりますか?どうしますか?ボーカルの方、キーは?ってパパっと打ち合わせをすると、その曲のお決まりのイントロ担当の方からなんとなく始まって、次々音がジョインして、音楽になっていくんです。
セッションの流れは決まりがあって、その決まりにそって、アイコンタクトをとりながら、演奏していく。演奏というよりも、コミュニケーション。
ずっと、釘づけでした。その、どんどん人が集まってきて、いつの間にか満席になっているところ。初めて顔を合わせる皆さんでも、すごく楽しそうに合わせているところ。ジャムセッションという場の雰囲気にも、セッションそのものも、集まった方とお話をすることも!
アラフォーの私が、まだまだひよっこ(笑)のような年齢層の高さにもびっくりでした。そんな皆さんが、とってもクールに音楽をしているところ、本当にカッコよかったです。音楽を楽しむのに年齢なんて関係ない、アフラフォーからのジャズだって、大丈夫!!と変な安心もしちゃったりしてヽ(^o^)丿
あ、で、肝心のデビューですが。。
先生のお計らいと、ベテランベーシストさんとドラマーさんのおかげで、なんとか止まらず最後まで合せられました!!
せっかくなので、と、1回目のあと暫くしてから、もう一回やらせてもらえました。その時は、同じスクールに通うドラムの方もいたので、その方と、トランペットを吹く方もいらしていたので、トランペットも入れて。トランペット、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット(*^^*)
まだ自由にアドリブもできず、馬鹿の一つ覚えみたいに先生に描いてもらったアドリブを暗記しての参加でしたが、楽しかった!!
「If I Were A Bell」は、イントロがピアノで学校のチャイム、つまり、ロンドンのウェストミンスター宮殿の大時計ビッグ・ベンの音を真似して始まります。だから、私がピアノを始めると、ドラムやベースがジョインしてきてくれるんです。トランペットも入って始まる音楽。本当に、音楽ってなんて楽しいんでしょう!!私が好きな音楽は、ソロじゃなくて合わせ。ジャズは、それぞれが音を持ち寄って楽しむコミュニケーション。
どうして、大して知りもしないくせにジャズが好きなのかって、前までは、楽譜通りに弾かなくて良いところと(難しい譜面は弾けないことの言い訳として)思っていましたが、実はこの、コミュニケーションがたまらなく魅力的だからなのかもしれません。
ジャムセッションの最後は、アルトサックス奏者チャーリー・パーカーの名曲「ナウズ・ザ・タイム」を、皆さんで回しておしまいでした。
「回す」って、文字通り、回すんです。ドラムは、一人が終わると次の人とシンバルをたたきながら席を交代するし、ピアノも一人が終わると立ち上がって次の人がすぐに座って続ける。フロントのボーカルと管楽器もどんどん交代して。なんて楽しそうなんでしょう!!!聴いているだけの私も、とても楽しかった(*^^*)
私にはまだ技術がなく、最後のセッションは参加できませんでしたけれど、今度参加するときは、ネタを増やして参加するぞ~~と誓った秋の夜。
夜11時過ぎに出たお店の中では、まだワイワイガヤガヤと皆さん楽しそうにお話していましたよ。そういうお話にも参加できるように、経験を積んで行きましょう。
こんな機会が持てたことに、心の底から感謝です♡
先生と、合わせてくれた皆様、お会いできた皆様、ありがとうございました。
そうそう。ここまで、ジャズをあんまりご存知なくても読んでくださった優しい皆様、ありがとうございます♡
私はまだまだ勉強中の身、初心者にもなれていないくらいの超初心者ですが、初心者だからこそ書ける、ジャムセッションの基本を、Q&A形式で書いてみました。
何かのご参考になりますように。そして、皆様も、ジャズや他の音楽を楽しめますように!
Q1:まず基本的な質問を。そもそも「ジャムセッション」って、何ですか?
A1:ジャムセッションは、ジャズの演奏形態の一つで、事前練習なしに、その場に集まったミュージシャンたちが即興で合せをすることです。これぞジャズ、な演奏スタイル。演奏というより、参加者にとっては、音楽を通したコミュニケーションとも言えるかもしれません。
Q2:「即興で」ということは、それぞれ好きなように演奏すればいいのですか?
A2: そうですね。それは、ある意味 Yes で、ある意味、No です。
というのは、ジャムセッションは音楽コミュニケーションですから、それぞれがお話をするための一定のルールを守らないと、バラバラになってしまうからです。音楽は、そのルールに沿って展開していきます。逆に言えば、ルールに沿っていれば、その中では自由。それが、いわゆる「アドリブ」として表現されるわけです。だから、その点では好きなように演奏してOKです。
Q3: では、ジャムセッションの一定のルールとは、どのようなものなのでしょうか?
A3: っと。そこ。私自身が超初心者なので、超ベーシックなルールしか分からないのですが、知っている限りの知識をお答えします。
一番の基本、曲を展開する順番について。
皆さんがジャズを聴くと、メインのテーマをやっていたなぁと思ったら、なんとなく、トランペット等がアドリブをして、ピアノが、ッチャララチャ~ラララ、チャ~ラララとか鍵盤を自由に使って演奏したと思ったら、ボボボボボンと静かでダンディなベースのアドリブが始まって、それを聞いているうちに、ッチャカチャジャ、シャッシャッツッシャ、ダダダ、ダダダンダンダン!!!みたいにドラムが元気に盛り上げて、それぞれが終わったのかなぁというところで拍手をもらうと、また、いつの間にかみんなで合わせて、ジャ、ジャーンって終わる、みたいな印象を受けると思います。受けるかな。。少なくとも、私はそう思っていました(*^^)b
これが、一定のルールに沿って展開されている流れなのです。
つまり、
【みんなでテーマ】 → 【メロディ楽器のアドリブ】 → 【ピアノのアドリブ】 → 【ベースのアドリブ】 → 【ドラムのアドリブ】 → 【みんなでテーマ+エンディング】
の順番です。
具体的に、どのようなことなのか、日本人なら誰でも知っている童謡「チューリップ」で展開してみましょう。
ちなみに、みんな歌える「さいた~、さいた~」で始まるチューリップは、我が町、前橋が生んだ偉大な作曲家、井上武士先生の作曲ですぞ。しかも、私がこのブログの紹介にも書いている「チッタスロー前橋・赤城地域」のご出身。
脱線しました。
全国知名度ランキングで永年ワースト3位かと思われていたところをやっと脱却、41位にまで知名度を上げた群馬の宣伝はここまでにして、本題に戻ります(*^^*)
「チューリップ」は、こうなっていますね。歌ってみると、
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さいた さいた チューリップの はなが (4小節)
ならんだ ならんだ あかしろ きいろ (4小節)
どのはな みても きれいだ なー (4小節)
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で、合計12小節です。
この1曲、全12小節が、メインテーマで、1コーラス。1コーラスを単位に、先ほど書いた順番で展開していきます。
(実際のところは、ジャズは32小節のことが多いようですが、シンプルに考えるため&群馬の宣伝のため(笑)にチューリップで考えてみます♬)
まず最初にみんなで1コーラス合わせます。このときは、メロディ楽器は曲のメロディが分かるように、素直に。
その次はトランペットやサックス、ボーカルなどのメロディ担当楽器(ボーカルも楽器と捉えて)のソロに進みます。
このときのソロは、メロディをなぞるのではなく、アドリブで。1コーラスか、2コーラスとります。
チューリップならば、2番までをアドリブで演奏する。
次にメロディ楽器が他にもあればその他の楽器、それから、ピアノ、ベース、ドラムの順に、ソロでアドリブを回していきます。
アドリブは、それぞれ、12小節だけの1コーラスか、24小節の2コーラス。場合によっては、3コーラスする人もいるようですが。
アドリブをとる人以外は、メインテーマのコードを演奏して、アドリブの楽器を引きたてます。
チューリップならば、「さいた~さいた~ ~~~ なー」までのコードを進める。
そうして、それぞれのアドリブが回ったら、みんなでメインテーマに戻って1コーラスか2コーラスやってエンディング。
好きなように演奏しているように見えて、実はこうやって、決まったルールのもと、音楽を渡しあってコミュニケーションするのが、ジャムセッションのルールです。
Q4: ドラムはメロディを歌うことができず他の楽器とちょっと違いますが、アドリブはどうやってするのですか?
A4: ドラムの場合は、曲が迷子にならないように、メロディ楽器と更に細かいやり取りをする「4バース(フォーバース)」という方法をとることが多いようです。8バースや2バースもあるそうですが、一番メジャーなのは、4バースです。
どのような方法かというと、4バース(4 bars)、つまり4小節ごとに、メロディ楽器やピアノと、交代でやり取りする方法です。
「チューリップ」で考えると、こんな感じに。
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【トランペット】さいた さいた チューリップの はなが (4小節)
【ドラム】 ならんだ ならんだ あかしろ きいろ (4小節)
【ピアノ】 どのはな みても きれいだ なー (4小節)
【ドラム】 さいた さいた チューリップの はなが (4小節)
【トランペット】ならんだ ならんだ あかしろ きいろ (4小節)
【ドラム】 どのはな みても きれいだ なー (4小節)
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ドラムがアドリブをとっている4小節の間、他の楽器は演奏しません。完全にドラムだけです。
4小節ドラム、4小節他の楽器、4小節ドラム、4小節他の楽器が繰り返される4バースの部分は、一つのセッションの中でも、変化があって盛り上がるところ。
また、ドラムやベースは、ソロが回ってこないこともあるので、4バースがあるセッションはかなり贅沢で、お客さんからの拍手もひときわ大きいように感じます。
こんなところで、「初心者の、初心者による、初心者のためのジャムセッション超入門講座」はおしまいです!
というか、超初心者の私が持っているジャムセッションの知識は、これですべてです(*^^*)
お読みくださり、ありがとうございました!