お子さんの背が、他のお子さんと比べて低いんじゃないかと心配している親御さんたちは、沢山いらっしゃいますよね。普段そんなに気にしなくても、授業参観の時など、他のお子さんと一緒にいるときに小さいと、大丈夫かな。。これから伸びるかな。。と心配になることもあると思います。
背が低い原因が、まれに病気によって身長が伸びない「低身長症」である場合もあります。そのほかは、体質や生活習慣などによって身長が低い場合があります。
今回は、「低身長症」と単なる「低身長」との違い、「低身長症」の原因や治療、「低身長」の対策についてご紹介します。
「低身長症」と「低身長」はどう違うの?
「低身長症」の場合は、成長ホルモンに関する病気が原因なので、治療をする必要があります。逆に、早期に発見して適切な治療をすれば改善されます。
でも一方で、「低身長」の場合は、生活習慣を正しくすることで改善することが多いものです。
お子様が、「低身長症」なのか、「低身長」なのか、しっかりと見極める必要があります。
栄養バランスの偏りや、間違った生活習慣などが原因の「低身長」は、十分な栄養を取ったり、生活習慣を改善することで、身長が伸びることが多いです。
栄養や睡眠などがきちんと整えれば、身長は伸びるはずですから、成長期の時期を逃さず、改善することが大切です。
一方、「低身長症」は病気が原因ですから、生活習慣の改善だけでは改善しません。疑わしいと思ったら、早めの受診、治療が大切です。
睡眠も十分とっている、栄養も足りているはずなのに、周りの子供たちに比べて、明らかな身長差があれば、躊躇せずに受診されることをおすすめします。早期に発見し、早期に治療を開始することが、解決するためには大切なことです。
低身長症になるのは?
単に背が低いからといって、ただちに「低身長症」に結び付くわけではありません。しかし、明らかに身長差がある場合は、病院で診ていただく方がいいでしょう。
低身長症の場合、治療をせず放置しておくと、最終身長が130㎝前後になってしまうこともあります。低身長症かどうかは、検査をすればわかります。
低身長症を引き起こす病気には、「低出生体重性低身長症」、「思春期早発症」、「ターナー症候群」、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」があります。
「低出生体重性低身長症」は文字通り、生まれた時の体重が少なかったため、標準身長に追いつけず、低身長になるものです。
「思春期早発症」は、早く思春期が来た結果、身長の伸びが早くに止まってしまうものです。ですが、思春期を遅らせれば、低身長を防げます。
「ターナー症候群」とは、染色体異常によって女性ホルモンが十分に分泌されずに起こるおのです。女子だけの病気で、初潮がない、140㎝未満の身長というのが特徴です。
女子の2000人に一人の割合で発症しますが、成長ホルモン、女性ホルモンを投与することで治療できます。
「成長ホルモン分泌不全性低身長症」は、成長ホルモンが十分に分泌されないので、身長が伸びません。
アルゼンチンの有名サッカー選手メッシがこの病気だったことはよく知られています。メッシ選手は、10~13歳の3年間、成長ホルモンの治療を続け、現在170㎝にまで成長しています。ですから、正しく治療を行えば身長を伸ばすことはできます。
低身長の最大の原因は、栄養と睡眠
ここまで病気である「低身長症」を見てきましたが、ここからは生活習慣、体質などが原因の「低身長」を見ていきましょう。
背が低い95%の子どもが、栄養や生活習慣に問題があると考えられています。
身長を伸ばすために十分な栄養が不足したり、栄養がアンバランスだったりするのです。特に、成長期にはたんぱく質が大切です。成長期のダイエットは低身長につながりますので、よく注意してあげてください。
もし、肥満などでダイエットが必要なら、食事制限ではなく、体を動かしてエネルギーを消費するようにしましょう。
さらに、低身長にとって大きな影響を与えるのが、睡眠です。
成長に必要な成長ホルモンは寝ている間、特に午後10時から午前2時の間に分泌されるといわれます。その時間に起きていると、成長ホルモンの分泌が阻害されるので、注意が必要です。夜更かしは、低身長につながりますから気を付けましょう。
まとめ
「背が低い」と一言で言っても、「低身長症」という病気が原因のものと、生活習慣、家庭習慣などを正しく整えれば身長の伸びが期待できる「低身長」があります。
いずれにせよ、親が注意深く観察していて、適切なケアをすれば、改善できます。身長が低いことは一生ついて回りますから、お子さんの成長期を大切に過ごさせてあげたいですね。
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