中1息子がプチっと反抗期。日によっては、クソババアの連発で、かなり落ち込む(苦笑)覚悟していたとはいえ、直球は結構キツイわ。。(-_-)/~~~~
なんというか、こんな子に育てた私が悪い、と思っちゃうのが、一番キツイのかもな。
というわけで、慰めに、大女優吉永小百合さんと嵐の二宮和也くんが主演の映画「母と暮せば [DVD]」を観ました。
ナガサキの原爆から3年。原爆の直撃を受けて亡くなった医学生の息子、浩二(二宮くん)が、家族を結核、戦死、原爆死の形で全員亡くし、助産師の仕事で細々と暮らしを立てる母親の伸子(小百合さん)のもとへ姿を現す。幸せだった頃の思い出話、浩二の恋人町子(黒木華)の話、あたかも、本当に生きている息子と母の会話のように、暮らしにポッと暖かな灯がともる。
でも、息子は死んでいるわけで。現実は、進行していくけれど、息子はあの頃のままで。母は現実の生活の中で体力を消耗していき、浩二と好きあっていた恋人の町子は新たな暮らしを切り開く勇気を出し。。。
この映画は、井上ひさしの戯曲「父と暮せば」へのトリビュートだそうです。「父と暮せば」は、広島の原爆で生き残った娘、美津江のところへ、原爆の直撃を受けて死んだ父、竹造が幻となって現れるところから始まります。原爆で生き残ったことを追い目に感じ、必要以上にひっそりと暮らす美津江。その美津江の背中を押し、エールを送る”幽霊の父親”竹造。最後には、竹造の応援を得て、新たな暮らしへの扉を開ける予兆で終わる、もう会うことができない父と娘の絆という、切ない中にも、明るい希望が持てるお話です。
私は、最初戯曲で読んですごく感動したのですが、宮沢りえさんと原田芳雄さんの映画を観た時に、この戯曲の素晴らしさと、役者、とくにりえちゃんの演技の素晴らしさに、ものすごい衝撃を受けました。
台詞だけなのに、原爆が落ちる恐ろしさ、燃え盛る火の中で父親を助けられない娘の嘆き、その場を動かない娘を救うために「ジャンケンでお前が勝ったら逃げろ」と、子どもの頃からわざとグーを出して負けていたジャンケンのとおりに負ける父親の激しい思いやりと慟哭。そういうものが、胸にダイレクトに突き刺さる。
あぁ。言葉、そして、演技というものは、こうまでも力があるものなのだなぁと圧倒されました。
というわけで、りえちゃんと原田さん、として、友情出演くらいにしか出ない浅野忠信さん(確か、台詞はほぼゼロ)の3人だけの名画「父と暮せば」は、私のお気に入りです。
前置きが長すぎですが、「母と暮せば」は、その広島を舞台に「父と暮せば」を書いた井上ひさしさんが、長崎を舞台に原爆の話を書く構想を練っていたという遺志を受け継ぎ、寅さんで有名な山田洋二監督が、長崎を舞台に、原爆で亡くなった息子と生き残った母の物語を描いたものだそうです。
幽霊なのにとっても陽気な息子、浩二。悲壮感がないのですね。でも、大好きな恋人の町子は見ないようにしている、というところが切ない。
母の淡々とした暮らしが、浩二の登場によって、少しずつ変化して、どんなふうになるんだろう、、と思ったら。。
最後はなんと!!!!
衝撃のラストでした。。。
いや、これは、本当に驚いて、「え~~~~!!???そう来る~~~~!!??」とマジで叫んでしまいましたよ。
それじゃ、全然分からないと思うので、ご興味のある方は、ぜひ映画を見てください。
両方観終わった今。
ふたつとも、原爆で亡くなった方々への鎮魂、平和への祈りが込められ、今を生きていることへの感謝でいっぱいになります。「母と暮せば」の、二宮くんと小百合さんの、ほのぼのとした母息子の演技は、絶賛反抗期真っ盛りの息子に、もっとおおらかな気持ちで接しようという勇気を与えてくれるし、恋人役の黒木華さんの楚々とした演技もとても好き。
でも、私は、やっぱり、「父と暮せば」のラストが好きです。暗い礼拝堂で祈りをささげた後に振り返ったら誰かが扉を開けようとして漏れてきた外の明るい光の眩しさにはっとするような、そんな希望にあふれているから。
というわけで、「母と暮せば」のご紹介なんだか、「父と暮せば」のご紹介なんだか、ゴチャゴチャしてきましたが。今回観たのは「母と暮せば」。ですが、「父と暮せば」も名作ですよ、というお話でした。
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「父と暮せば」は原作の戯曲が秀逸です。薄い本ですし、これはぜひ、沢山の方々に読んで欲しい一冊です!