GW前半のうららかな日曜日。
さて、出掛けよう～と大好きな愛車ポロに乗りこんで、アクセルを踏んで乗りだしたら、小さく「ガッ」と音が鳴り、動力が前にも後ろにも伝わらなくなってしまいました。ん？？変だな。。一応動くけど。。と、赤城山のすそ野にある我が家近くの住宅地をコロコロと転がり、一度ブレーキをかけて停車。もう一度エンジンをかけたところ、エンジンはかかるものの、アクセルを踏んでもやはりオートマのDマークが点滅したまま、エンジンが空吹き。
これはおかしい、帰ろう、帰ろう、と住宅地を1ブロックだけ下がって左折して、また登って家へ向かおうとしましたが、動力が前にも後ろにも伝わらないものだから、坂を登れずにその場で立ち往生となりました。。ここまで来られたのは、下り坂だったからであって、エンジンのチカラで動いたわけではありませんでした。
ふ～む。。18歳の頃、教習所でおっかなびっくりブレーキを踏んだら「キミのうちは赤城山のすそ野なんだから、そんな甘い踏み方じゃ転がって行っちゃうよ！！」と助手席の教官にブレーキをギュッと踏まれましたが、なるほど、確かに転がって行っちゃうんですな。。ブレーキ、大事です。
なんて、四半世紀前の教習所の実技講座を思い出して感心している場合じゃありません。
次に向かう場所と時間が決まっていた同乗の家族の送りは他の家族に応援を頼み、私はJAFとVWのディーラーさんに電話。
GW前半の日曜日でしたが、幸いディーラーさんには留守番の方がいて、整備はできないものの、故障車の受け入れと代車の手配はすぐにやってくれました。
JAFは、GWなので混んでいるかな～と思い、長い時間待つことを覚悟していましたが、幸い50分ほどで到着。ありがとうございます(*^^*)
JAFさんがエンジンをかけてくれましたが、やはり、アクセルを踏んでも空吹きするだけで動きません。メカに弱い私がなんか勘違いしているだけかもしれないという不安と期待は吹き飛び、「仕方ないですね」ということで、ディーラーさんに運んでもらうことになりました。
ここで、私は、やっと疑問に思ったのですよ。
「動かない車を、どうやってあんな大きなレッカー車に積むんだろう、しかも一人で」と。
そんな疑問と興味を持って真剣に見つめる私なんて全く気にせずに、JAFさんは手際よく作業をしていきます。
まず、JAFさんがレッカー車を停めた位置も興味津々。どうしてあんなところなんだろう。。
私の車が停まってしまったのは、住宅地の小さな交差点を少し入ったところ。私の車の向きからは、上り坂です。そして、JAFさんがレッカー車を停めたのは、私の車とは反対向きにして、交差点を少し降りたところ。JAFさんの向きからは、下り坂。
だから、私の車とJAFのレッカー車がお互いに後ろ向きになっている状況。こんな位置関係。
その位置で、JAFさんは私の車のエンジンを切り、サイドブレーキを外してギアをニュートラルにして、ドアを開けたまま運転席に乗ると、左手はハンドルに左足は車の中へ、右手はドアを押さえ右足を地面に付けました。そして、後ろ向きのまま、レッカー車に向かって右足で地面を蹴って、左手でハンドル操作を史ながら、レッカー車の荷台に向かってゆっくりと坂を降りて行ったのです。
坂の下で待ち受けているレッカー車の荷台をめがけ、ハンドルを切りながらコロコロと静かに私の車を動かしていくと、後ろ向きのまま無事到着。
荷台に乗ると、留め具で固定。前輪はサイズの問題か、タオルで固定。
そして、荷台を上へ上げて行きました。
ほー。。なるほど、うまいもんだなぁ。。とえらく感心(*^^*) プロの仕事、お見事でした。
JAFさんのお話だと、停まってしまった場所によって車載の方法はいくつかあるけれど、ここの場合は、交通量の少ない坂道の住宅地なので、坂を利用して落ち着いて作業が出来た、とのことでした。
そういえば、教習所で車が動かなくなったときの緊急移動の方法を習ったな～。。なんて、四半世紀前の記憶をまた引っ張りだしてみる。何人もいるときは、同乗者に降りてもらって、運転手はハンドル操作をしながら押してもらう、とか。一人でのときは、まったくJAFさんがやった方法だったような気も。。
いやはや。最近エンストやオーバーヒートなんてこともめっきり減りましたから、車は動く、という前提で乗っていますが、ドライバーとして緊急時の対応はもう一度おさらいする必要があります。
反省と学習はあとにして、私もレッカー車に載せてもらってディーラーさんに向かいました。レッカー車の助手席に乗るのは初めてで、なんだかワクワクします。トラブルなのに。。(^▽^;)
車中では、東日本大震災時に車移動の応援へ行った時の話等、なかなか聞けないこともきかせていただきました。自動車。普段の生活に欠かせない大切な交通手段であり、時に、好きな車に乗ると気持ちのハッピーをもたらしてくれる存在であり。7年前の未曾有の大災害を自動車という切り口で見たJAFさんのお話に、ふと色々と考えてしまいました。
そういえば。というか、私の中ではいつだって隣にあることですが。この愛車ポロを購入したのは、東日本大震災がきっかけだったのです。
7年前、2011年3月11日。群馬にいた私には、直接の被害は殆どなかったものの、当日、停電して信号機もついていない真っ暗な田舎道を家まで帰ったこと、津波が迫るなか走って逃げる人が飲みこまれる様子をノーカットで映すテレビカメラを通して見たこと、「行ってきます」と行ったきり、家へ帰ることができなかった人とその家族がいるということ、津波に飲まれ今も見つからない人たちがいるということ。。そういうことを思うだけで、時が止まったように感じ、何もできなくなってしまった時期がありました。
でも、1か月ほどたってから、漸く気持ちが落ち着いてきて、シンプルに「悔いなく生きよう」と思ったのです。命はいつ終わるか分からない、大切な人と突然別れを迎える可能性だってみんなにある、今を大事にしよう、「あとで」とか、「〇〇をしたら」なんて言っている場合じゃない。
車も、好きな車に乗ろう。ずっと乗りたいと思っていたポロに乗ろう。「もう少し生活が落ち着いたら」「何歳になったら」「なんとかの試験に受かったら」なんて、自分で期限を設けて先延ばしにしていたけれど、今、やりたいことをやって、今、好きな車に乗ろう。
それまでは、離婚やリストラで思わぬ人生の転機に遭遇することが多く、車も機能重視の軽自動車に乗っていました。今思えば、あの時の私にはそれがピッタリだったし、あの自動車だからこそ出来たことだってありました。でも、その車が心の底から好きで、乗るとハッピーだったかっていうと、ゴメンナサイ、そうじゃなかった。
だから、今こそ、ずっと乗りたかった車に乗ろう。そう思って、すぐにVWのディーラーに行き、南アフリカで生産中だから数か月かかると言われたところ、「分かりました。でも、できるだけ早く！！」とお願いし、2か月ほどで納車してもらったのでした(*^^*)
そんな経緯で私のところにやってきた車だから、本当に大好き♡ あれから7年たち、この1年はちょっと不調が多く、レッカー2回（笑）、その他に2回修理で入院していますが、それでも大好き。「手がかかる子ほどかわいい」って言うじゃないですか。本当に好き。
な～んて、ディーラーさんの敷地を、JAFのレッカー車に積まれてありえない高さを移動していく我が愛車を眺めながら、「トランスミッションの問題で部品交換だと、高くつくなぁ。。」なんてちょっと「イタッ」と思ったりして。
その日は、整備はお休みだったので、見積もりは翌日とのこと。代車を借りて帰りました。
その代車は、ニュービートル。これまた、いつか乗りたいと思った車だったので（笑）、緊張しつつも束の間のドライブを大いに楽しみましたよ。うーん。カッコイイ。
そして、その後肝心の愛車ポロは？？
GWの合間だから、時間がかかるなぁと思ったところ、なんと、二泊二日の超速対応で、GW後半に入る前に帰ってきました！
4月30日（日）に故障、翌5月1日（月）に部品手配、続く5月2日（火）に修理完了、引き渡し。って最速じゃないですか～？5月3日からはディーラーさんも連休に入るので、一つでもなにか抜ければ、連休明けになっちゃうところ、素晴らしい神対応。感激しました。
それだけじゃなくて、「高くつくなぁ。。」と思っていた修理費が、なんと、無料！！「タダ」です。
えぇ・・・・そりゃ嬉しいけど、全く無料って。。何かあるなぁ。。とディーラーさんに聞いてみたら、どうも同じような症状を起こしてしまうポロが他にもあり、メーカーさんと交渉してメーカーさんの責任（？？っていうのかしら？？）で無償交換修理となったようです。
私はメカと数学と理科には滅法弱いので、ホヤンとした理解しかしていないのですが、ポロの７速DSGトランスミッションというのは、運転方法としては普通のオートマ車と変わりがないのですが、シフトチェンジの方法としてはクラッチでつなぐマニュアルトランスミッションでやっていることを機械が操作してくれる、そんな感じのようで結構複雑？？らしいのですね。
そしてそのDSGというのは、レーシングドライバー並みのシフトチェンジ（と言われても、大した運転技術のない私には猫に小判）とかで、技術的な評価は高いらしいですが、故障が多いのが玉に瑕、というか、クルマとしてはかなりクリティカルなんじゃ。。詳しい方に聞いたり、ネットで調べると、VWのDSGのトラブルは、結構有名なようで。。
とヒヤっとしましたが。
仕事帰りに寄ったディーラーさんで私を待っていた、ポテンとしたちっちゃなボディーの真っ赤なポロには、やっぱり胸キュン♡ 圧倒的に好きだ。
だって、こんなに可愛い(*”▽”)
今回、誰も怪我をせず、まぁトラブルではありましたが、とても大きな騒ぎにならなかったことに感謝です。
トランスミッションも交換してもらったし、まだまだ大事に乗ります♬
しかし。不測の事態に備えて、JAFなど緊急時の連絡先を常時携帯しておくこと、事故車両を停めるときの三角表示板を積んでおくこと、外に出て待つときの日傘と読む本は、ドライバーとして必須だなぁと実感したのが、今回の大きな教訓です(*^^*)